11月17日の読書感想文

先ほどタイトルだけあげた本の感想文をダラダラ書き散らします。

241108185000224-27c38.JPG 
巷説百物語
京極夏彦先生

江戸時代を舞台にある一味が「しかけ」によって悪者を絡め取り始末をつける…という流れのお話しが基本。
その「しかけ」が、妖怪に因んだもので、それぞれの章のタイトルにもなっていて、京極夏彦先生の真骨頂という感じ!

章の最初に舞台となる土地の風景の描写があるんですが、語感が良くて、筆力が半端なくて、難しい文章に見えるのにスイスイ読めてしまうし、脳裏にありありと風景が描かれるし、雨の匂いや潮の香りまで感じられて読むのが楽しいんです!

登場人物の個性も立ってて、交わされる会話もリズミカル。

おばちゃんは一味の中では「山猫廻しのおぎん」さんが推しですね〜。

241109214723067-c3c7f.JPG
書楼弔堂 炎昼
京極夏彦先生

書楼弔堂シリーズの第二弾です。
今回の語り手は、元士族のおぜうさま。
お嬢さんが語り手だからか、各章に、いろんな花の描写があって、これがまた描き方がすごくて、挿絵もあったからか鮮やかに脳裏に風景が浮かぶし、語りがちゃんとお嬢さんなんですよね〜。

「死ねばいいのに」の時も思ったんですけど、チャラい若者の言葉遣いや姿勢、振る舞いが自然だし、この作品でもお嬢さんの物腰や考え方が、ちゃんと「お嬢さん」!
あまりにも自然で後から気づくくらい。

今回も、弔堂を訪れる人々(後で著名人であることが判明する)が「人生の1冊」に出会う話なんですが、出会う人々の正体に気がついた時が今回はかなり辛かった!
「この人、今は本に出会って幸せそうだけど、確か史実ではこの後…」
って流れがありまして。
切なくなりましたね。

でも読了後は満足の長いため息をついちゃいました。

241110180833253-725c5.JPG
タルト・タタンの夢
241110180847122-a8465.JPG
すきだらけのビストロ

この2作品はどちらも小さなフランス料理店のお話で、凄い偶然だったわけですが、世界観がだいぶ違ってそれぞれ楽しかったです。

タルト・タタンの夢はサラサラ読めるし、日常の謎が楽しい。

すきだらけのビストロは、旅するビストロの話で、とにかく料理の描写が美味しそう!
旅するビストロにたどり着いた人々が、美味しい料理と芸術に癒されていくのが、心がほっこりしました。

同じヴァン・ショー(フランスのホットワイン)の描写の違いが面白かったですね。

241116210153939-0d324.JPG
伯爵と三つの棺

こちらはフランス革命の余波に怯える君主制のとある小国が舞台。
指紋鑑定すらない時代の殺人事件を追うお話しなんですが、どんでん返しがすごいとほんタメで紹介されたので読んでみました。

後半のまくし立てるみたいな新事実の連続が凄かった!

ちょこちょこ、その時代の仕組みの解説とかがあって、途中読みにくいところもあったんですが、頑張って読む価値ありです!


この記事へのコメント